Dreamforce 2018 Developer Keynote 雑感
Dreamforce 2018 Developer Keynote 雑感 開発者が最も注目するキーノートの1つであるDeveloper Keynoteの雑感を記してみます。
Developer Keynoteでは大きく3つのテーマについて語られていました。
Build Apps Faster – App構築をより速く! Integrate Apps Easier – App統合をより簡単に! Make Apps Smarter –より賢いAppを作る! 以下、各テーマの雑感となります。(モバイルブラウザの方は、再生ボタンを押すと図が表示されます。)
- Build Apps Faster – App構築をより速く! 主にはLightning Platform、Herokuのアップデートに関する内容で、今年も安定した進化を見せてくれています。また、モバイルにもようやくLEXの波が押し寄せてきたようです。 ストリーミングAPIに対応したコンポーネントやgoogle mapに対応したコンポーネントなど、新しいLightning Componentがさらに強化されてきているのが印象的でした。
他には、Lightning Developer Pro Sandboxという新たなSandboxが追加されました。これは5分程度という、これまでに比べて非常に高速に生成できるSandboxのようです。
そして、sfdxもsandboxに対してメタデータをデプロイできるようになりました。
この2つの新機能とheroku pipelineを組み合わせて、sandboxを使った開発でもheroku flowに乗っかることができるようになるのでしょうか。今後に期待したいところです。
- Integrate Apps Easier – App統合をより簡単に! 今年買収したMuleSoftのAnypoint Platformがメインでしょうか。
Anypoint Platformを利用することで、APIのデザイン(URI、パラメータやレスポンスの定義)から始まり、内部処理の実装(GUIで可能!)、Anypoint Platform上にデプロイすることが非常に簡単にできるようになります。さらにそのAPIのモニタリングや、APIコール数の制限といったリミット設定など、管理系の機能も豊富だそうです。(Keynoteでは触れてなかったですが。)
今後、APIをどう組み合わせて、どうデザインしていくか...そういったシステム全体を見渡す能力がさらに重要になっていくのだと思います。
Salesforce側もChange Data Captureという新機能が追加されたようです。トリガイベントをすべて記録する専用オブジェクトのようなものが追加され、それをAPIとして外部に公開できるようです。(新たなサフィックス “__ChangeEvent” が追加されます!)
以下、デモで紹介されていた内容です。
Anypoint Platformが別のシステムのAPIから取得したデータを返すAPIを用意し、それをLightning Componentで呼び出す
Anypoint Platformが受け取った特定のデータだけPlatform EventsのAPIに対してパブリッシュする
SalesforceのChange Data CaptureをAnypoint Platform側でサブスクライブしてSalesforceで発生したレコードの変更(作成も)を別のシステムに流す 3. Make Apps Smarter – より賢いAppを作る! Einstein Languageの新機能として、Einstein BotsとVoice Assistantsが今回のメインテーマでしょうか。
Voice Assistantsのデモは、実機で音声入力し、その文章から事前に用意されたEinstein Assistant Template(※)に従ってsalesforce内のレコードの候補を表示させ、最終的にToDoを作成する、というものでした。 ※事前にアクション(検索/レコード作成など)を用意しておくと、入力された内容からそのアクションに沿って処理してくれるテンプレートのようです。
ちなみに、音声入力しながら、文章の終わりに「ピリオド」と発音している様子がなかなかシュールな印象でした。
さいごに Keynoteで紹介する新機能に、ユーザの事例を合わせてよりリアルに語っていくところは毎度ながら圧倒されます。新機能を使うことで、どんな未来を創っていけるのか、開発者としてはワクワクするところです。
また、今回Opening Keynoteでも発表されたCustomer 360に代表されるように、Salesforce単体だけではなく、様々な外部システムとうまく連携させていくことがますます重要になってきそうです。
そして、連携して集めてきたデータをうまく活用するためのEinstein。
これらをうまく使いこなせるよう、当社も日々研鑽に励んでいきたいと思います。